アンケート作りを、
思いつきの言葉遊びで
終わらせない
目的を1行AIに伝えるだけで、質問リストからGoogleフォームの完成品まで、無料のAIだけで一気に終わらせる60分です。
無料のAIとGoogleフォームだけで、アンケートを「考える」から「フォーム完成」までを自分ひとりで最速化できるようになる。
今日の流れ
60分ぶんの目安です。実施しながら伸び縮みするので、時刻はあくまで目印として見てください。手を動かす時間(ハンズオン)に全体の半分以上を置いています。
- 00:00-05:00イントロ・今日のゴール
- 05:00-12:00なぜアンケート作りは地味に大変か/3つのルート比較
- 12:00-18:00今日使う無料AIの紹介(ChatGPT無料版とGemini無料版)+準備物確認
- 18:00-35:00ハンズオン1半自動編(AIに項目を作らせて、フォームにコピペ)
- 35:00-53:00ハンズオン2自動化編(コードを実行してフォームを一発生成)
- 53:00-58:00コピペ用ワークシート・注意点
- 58:00-60:00宿題・まとめ
今日の要点は3つ
「聞きたいこと」を伝えるだけで、たたき台ができる
無料のAI(ChatGPT/Gemini)に目的を伝えれば、アンケート項目の下書きが返ってきます。ゼロから考える時間がまるごと減ります。
半自動なら今日すぐ、自動化ならボタン1つ
半自動(コピペで入力)は、コピーと貼り付けができれば今日この場で進められます。自動化(Apps Script)まで進むと、実行ボタン1つでフォームが出来上がります。
Googleフォームの自動作成AIは有料プラン限定
フォーム側にもAI作成機能はありますが、有料プランでしか使えません。無料で完結させるなら、今日の2ルートが現実的な近道です。
お客様アンケートを作って
なぜアンケート作りは大変か
手が止まる場所は、たいてい「文章を書くところ」ではありません。時間を食っているのは、その手前と、そのあとの単純作業です。
- アンケートを一から作るとき、実は「文章を書く」より「何を聞くか・どの順番で聞くか・選択肢をどう切るか」を考える時間の方が長いです。
- Googleフォームへの入力作業も、質問数が10問を超えると地味に時間を食います。質問追加ボタン → タイプ選択 → 文言入力 → 選択肢入力、の繰り返しになるためです。
- Wemakeメンバーの業務では、日程ヒアリング・満足度調査・イベント参加者アンケートなど、アンケート作成が日常的に発生する場面が多くあります。
日程ヒアリング
満足度アンケート
3つのルートを比べる
ゴール(フォーム完成)は同じで、そこまでの道が3本あります。今日歩くのは真ん中と一番下の2本です。
自分で全部
半自動
自動化
| ルート | やること | かかる時間感覚 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 自分で全部 | 質問を自分で考え、自分で入力 | 一番時間がかかる。質問の質にもムラが出やすい | 内容に強いこだわりがあるとき |
| 半自動今日やる | AIが項目を考える → 自分がコピペで入力 | 今日この場ですぐできる | AIもGoogleフォームも初めての人 |
| 自動化今日やる | AIが項目を考える → コードも生成 → 実行するとフォームが完成 | 覚えると一番速い(2回目以降は数分) | コピペと「実行ボタンを押す」に抵抗がない人 |
表は横にスクロールできます。
今日使うツールと準備物
追加の課金は必要ありません。無料アカウントが2つあれば、最後まで進めます。
対象
無課金のAIユーザー。ChatGPTやGeminiに登録したことがなくても大丈夫です。
今日使う無料AI
ChatGPT無料版とGemini無料版の両方を紹介します。手元にどちらかがあれば十分で、両方あれば返ってきた質問リストを見比べてみるのもおすすめです。テキストのやりとりで質問を作ってもらう用途なら、どちらも無料枠の範囲内で十分に使えます。
準備物は2つ
- ChatGPTまたはGeminiの無料アカウント:まだの人はこの場で新規登録でもOKです。Googleアカウントがあれば数十秒で作れます。
- Googleアカウント:GoogleフォームとApps Scriptを使うために必要です。
実践デモの見どころ
同じプロンプトをChatGPTとGeminiのどちらに投げても、近い質の質問リストが返ってきます。まずは画面の場所を覚えてしまいましょう。
① 目的を伝える
② AIが考える
③ フォームになる
ChatGPT(chat.openai.com)を開いて、新規チャットに貼るだけ
左の「+ 新しいチャット」で会話を1本立て、下の入力欄にプロンプトを貼って送信します。送信ボタンは入力欄の右にある丸い上向き矢印です。
今日
- アンケート項目の作成
- 議事録のたたき台
- メール文面の相談
以下の条件でアンケート項目を作ってください。……
- 1. お名前(記述式・必須)
- 2. サービスの満足度(選択式/とても満足〜不満)
- 3. 良かった点(記述式)
- 4. 改善してほしい点(長文記述)
画面は横にスクロールできます(スマホ表示のとき)。
Gemini(gemini.google.com)でも、やることは同じ
Googleアカウントでそのまま入れます。左上の「+ 新しいチャット」を押して、下の入力欄に同じプロンプトを貼り、右の送信アイコンを押します。
最近
- アンケート項目の作成
- イベント告知文の相談
- 表計算の関数を教えて
以下の条件でアンケート項目を作ってください。……
- 1. お名前(記述式・必須)
- 2. 参加のきっかけ(選択式)
- 3. 内容の満足度(選択式/5段階)
- 4. 今後扱ってほしいテーマ(長文記述)
画面は横にスクロールできます(スマホ表示のとき)。
見比べのポイント
質問の数・言い回しのやわらかさ・選択肢の切り方に少し差が出ます。どちらが正解ということはないので、自分の業務の空気に近い方を採用してください。
ハンズオン① 半自動編
AIに項目を考えてもらい、自分の手でGoogleフォームに入れていくルートです。今日この場で最後まで到達できます。
ChatGPTまたはGeminiを開いてログインする
ChatGPTは chat.openai.com、Geminiは gemini.google.com です。どちらも無料アカウントで入れます。未登録の人はこの場で作ってしまって大丈夫です。
半自動用プロンプトを書き換えて送信する
第9章の「半自動用プロンプト」をコピーし、【 】の部分を自分の目的に書き換えてから、チャット入力欄に貼り付けて送信します。
今日
- アンケート項目の作成
- 議事録のたたき台
画面は横にスクロールできます(スマホ表示のとき)。
返ってきた質問リストをひと通り確認する
AIが質問リストを提案してくれます。質問文と選択肢をざっと読んで、気になる文言があればこの場で「もっとやわらかい言い方にして」「1問減らして」などと頼み直して構いません。1回で完璧を求めなくて大丈夫です。
言い直しの例
「敬語をもう少しやわらかくして」「選択肢を5段階から3段階にして」「最後に自由記述を1問足して」——このくらいの雑さで通じます。
Googleフォームを開いて「空白のフォーム」を選ぶ
forms.google.com を開くか、ブラウザの新しいタブに forms.new と入力します。テンプレートが並ぶので、いちばん左の「空白のフォーム」を選びます。
新しいフォームを作成
画面は横にスクロールできます(スマホ表示のとき)。
タイトルと説明文にAIの文面を貼る
フォーム上部の大きなタイトル欄と、その下の説明欄に、AIが提案した文面をコピペします。説明文は、プロンプトで一緒に作ってもらったあいさつ文をそのまま使えます。
「+」で質問を足し、タイプを選んで入力していく
右側の縦のツールバーにある「+」(質問を追加)を押し、プルダウンで質問の種類(記述式/選択式など)を選んで、AIの提案した質問文と選択肢を1問ずつ入れていきます。全問終わったら右上の「送信」ボタンで、回答用のURLが発行されます。
- とても満足
- 満足
- 普通
- やや不満
画面は横にスクロールできます(スマホ表示のとき)。
ここまでで半自動ルートは完成
質問を考える時間は確実に減らせます。入力の手間だけは残りますが、10問程度なら数分で終わります。この先の自動化編は、その入力の手間をほぼゼロにする話です。
ハンズオン② 自動化編
同じチャットの続きでコードを作らせ、それを実行するだけです。プログラミングの知識は要りません。押す場所さえ分かれば通ります。
さっきのチャットの続きで、自動化用プロンプトを送る
第7章のSTEP 3で質問リストを作ったチャットは、そのまま残しておきます。同じ会話の続きとして、第9章の「自動化用プロンプト」を送ってください。会話を分けると、AIが直前の項目を覚えていないので必ず同じチャットで続けます。
生成されたコードを全文コピーする
コードはコードブロック(黒っぽい枠)で返ってきます。枠の右上にあるコピーアイコンを押せば全文がコピーされます。手で範囲選択しなくて大丈夫です。
Google Apps Scriptの新しいプロジェクトを開く
drive.google.com を開いて「+新規」→「その他」→「Google Apps Script」を選びます。または script.google.com に直接アクセスして「新しいプロジェクト」でも同じです。
最初のコードを消して、貼り付ける
エディタに最初から書かれている function myFunction() {} を全部選択して削除し、コピーしたコードを貼り付けます。
上部の「▷ 実行」ボタンを押す
ツールバーの三角アイコン(▷ 実行)をクリックします。その右のプルダウンに、実行する関数名(createSurveyForm)が入っているかも一緒に確認してください。
ファイル
- コード.gs
- ファイルを追加
実行ログ
| 10:12:03 | お知らせ | 実行開始 |
画面は横にスクロールできます(スマホ表示のとき)。
初回だけ出る「承認が必要です」を通す
ここが今日いちばん止まりやすい場所です。画面は4つ続けて出ますが、押す場所は決まっています。3つ目に「このアプリはGoogleで確認されていません」という強い警告が出ますが、これは自分で作ったばかりのスクリプトには必ず出るものです(理由は下に書いています)。落ち着いて4画面ぶん進めてください。
承認が必要です
このプロジェクトがデータにアクセスするには、あなたの許可が必要です。
アカウントの選択
ふだん使っているGoogleアカウントでかまいません。
このアプリはGoogleで確認されていません
このアプリは、Googleによる確認が済んでいません。よく知っている開発者のアプリのみご利用ください。
「詳細」を開くと下に出てくる
「無題のプロジェクト(安全ではないページ)に移動」を押します。
アクセスの許可を求めています
「無題のプロジェクト」が、あなたのGoogleドライブ上でフォームを作成することを許可します。
画面は横にスクロールできます(スマホ表示のとき)。
なぜ「確認されていません」と警告が出るのか
Googleの審査を受けていないスクリプトに出る警告です。審査は、たくさんの人に配るアプリのための手続きなので、いま自分で作ったばかりのスクリプトには必ずこの警告が出ます。壊れているわけでも、危ないものを踏んだわけでもありません。
ここで許可しているのは、自分のGoogleアカウントの中で、このスクリプトがフォームを作ることだけです。外部にデータが送られる操作ではありません。作られるフォームも、自分のGoogleドライブの中に入ります。
ただし考え方は覚えておいてください。中身のわからないコードを貼って許可するのは避けること。今日のコードは、自分がAIに書いてもらった中身のわかるコードなので進めて大丈夫です。
実行ログに出たURLを開く
実行が終わると、画面下の「実行ログ」に「編集用URL」と「回答用URL」が表示されます。編集用URLを開くと、AIが考えた項目がすでに入ったフォームが完成しています。
ファイル
- コード.gs
実行ログ
| 10:12:03 | お知らせ | 実行開始 |
| 10:12:07 | 情報 | 編集用URL: https://docs.google.com/forms/d/xxxxxxxx/edit |
| 10:12:07 | 情報 | 回答用URL: https://docs.google.com/forms/d/e/xxxxxxxx/viewform |
| 10:12:08 | お知らせ | 実行完了 |
画面は横にスクロールできます(スマホ表示のとき)。
コピペ用ワークシート
この3つの箱が今日の持ち帰りです。右上のボタンで全文コピーできます。
① 半自動用プロンプト
あなたはアンケート設計の専門家です。 以下の条件でGoogleフォーム用のアンケート項目を作ってください。 【目的】(例: セミナー参加者への満足度調査) 【対象】(例: オンラインセミナーに参加した方) 【聞きたいこと】(例: 内容の満足度、良かった点、改善してほしい点) 出力形式: - 質問は6〜8問程度 - 各質問に「質問文」「回答形式(記述式 or 選択式)」「選択式の場合は選択肢」を明記してください - 冒頭にフォームの説明文として使える短いあいさつ文も1つ作ってください
② 自動化用プロンプト(①の続きとして送る)
今作ってくれたアンケート項目を、そのままGoogle Apps ScriptのFormApp APIを使ったコードにしてください。 条件: - 関数名は createSurveyForm にしてください - 記述式の質問は addTextItem、長文の質問は addParagraphTextItem、選択式の質問は addMultipleChoiceItem を使ってください - 必須にしたい質問には setRequired(true) を付けてください - 最後に Logger.log でフォームの編集用URLと回答用URLを出力してください - コードだけをコピペしてすぐ使える状態で出力してください
③ 実際に動くコード例(講師の手元用サンプル)
function createSurveyForm() {
const form = FormApp.create('お客様アンケート');
form.setDescription('いつもご利用ありがとうございます。今後のサービス向上のためアンケートにご協力ください。');
form.addTextItem()
.setTitle('お名前')
.setRequired(true);
form.addMultipleChoiceItem()
.setTitle('サービスの満足度を教えてください')
.setChoiceValues(['とても満足', '満足', '普通', 'やや不満', '不満'])
.setRequired(true);
form.addParagraphTextItem()
.setTitle('ご意見・ご感想があればお聞かせください');
Logger.log('編集用URL: ' + form.getEditUrl());
Logger.log('回答用URL: ' + form.getPublishedUrl());
}
コード例に使っているメソッドについて
下の8つは、いずれもGoogle Apps Script公式のFormAppサービスに実在するメソッドです(出典は第12章)。
FormApp.create / addTextItem / addMultipleChoiceItem / setChoiceValues / addParagraphTextItem / setRequired / getEditUrl / getPublishedUrl
注意点と安全な言い方
Googleフォームの自動作成AIは、有料プラン限定です
Googleフォームには公式の「Geminiでフォームを自動作成する」機能(フォーム作成のヘルプ)が実際にありますが、Google WorkspaceまたはGoogle AIの有料プランでのみ利用できます。個人の無料Googleアカウントでは使えないため、今日はこの機能は使いません。「フォーム側のAIで作れる」と覚えて帰ると、手元で再現できずに困ります。
- Apps Scriptの「許可」ボタンは、自分のGoogleアカウントの中でスクリプトを動かすための確認です。外部にデータが送られる操作ではありません。
- アンケートに実在する個人情報(本名・連絡先・具体的な相談内容など)を、そのままAIのチャットに貼り付けないでください。項目を考えてもらう段階では、仮の名前や抽象化した内容で頼みます。
- 言い方は事実ベースで。質問を考える時間は確実に減らせますし、入力の手間は自動化ルートでほぼゼロにできます。ただし「これで必ず反応が増える」「絶対にラクになる」のような言い切りは避けましょう。
今日の宿題
- 今日中に、自分の実際の業務(日程ヒアリング・満足度調査・イベント参加者確認など)で使うアンケートを1つ、半自動または自動化のどちらかで実際に作ってみる。
- うまくいかなかった質問文があれば、AIに「もっと〇〇な感じにして」と言い直しを頼んでみる。1回で完璧を求めない。
まとめと出典
持ち帰ってほしい3つ
- アンケートは「考える」をAIに任せ、「入力」を半自動か自動化に任せれば、無料のまま最速化できます。
- Googleフォームの自動作成AI機能自体は有料限定ですが、ChatGPT/Gemini無料版+Apps Scriptの組み合わせで、同じゴールに無料で届きます。
- 迷ったら半自動から。慣れたら自動化へ。
出典
- Google Workspace Updates「Use Gemini in Google Forms to quickly create a new form」
https://workspaceupdates.googleblog.com/2025/06/help-me-create-gemini-google-forms.html - Google Docs Editors ヘルプ「Create a form with Gemini in Google Forms」
https://support.google.com/docs/answer/16346789 - Google for Developers「Class FormApp」
https://developers.google.com/apps-script/reference/forms/form-app